柔らかい曲線で包まれた楕円翼が新鮮なガソリンエンジン10ccクラススポーツ機「アイランドブリーズ」。入荷しても即完売という状態がようやく一段落し、当店でもやっと在庫を持てるようになりましたので、あらためてキットレビューをさせていただきます。
10ccクラスのガソリンエンジン機(従来のグローエンジンで言えば60クラス)として開発されたとのことですが、特にSAITO FG-11を搭載すればマウント周りやカウルの工作をほとんどしなくても良い仕上がりになっている、というのがメーカーであるOK模型の売り言葉になっています。
そのあたりも含めて、キットの中身をチェックしながらご紹介を進めさせていきます。
全パーツを並べてみたところです。
ご覧のようにフィルム貼りの完成機で、楕円形の平面を持った主翼をはじめとして全体に丸みを帯びたデザインの機体に、ターコイズとオレンジを基調に曲線を生かしたデザインのカラーリングになっています。
それでは早速中身をチェックして行きましょう。
今回は胴体まわりです。
主要部分の構造は、肉抜きしたベニヤの側板と胴枠、そして後部胴体背面はバルサプランクになっています。
カウルは塗装済みのグラスファイバー製です。
前部胴体の上半分はハッチになっていて、コックピット部分も含めて大きく取り外しができます。
エンジン仕様にした時の燃料タンクや電動仕様の場合のバッテリーへのアクセスがしやすくなっています。
第一胴枠は当然ながら耐燃料塗装がしっかりと施されています。黒く塗られている部分が塗装部分ですね。
ハッチの取付方法ですが、前が2本のピン(ダウエル)、後がキャノピーラッチになっており、ワンタッチで取り外しができる様になっています。
ハッチ部分の中央に黒く見えるのは、主翼カンザシが通るカーボンパイプです。主翼を左右分割式にすることで主翼取付部に切り欠きができない分、胴体の剛性がアップする訳ですね。
ここで、ハッチ(キャノピー)をチェックしているときに細かい事に気が付きました。
矢印の先の部分、ここに薄いベニヤ板でプラスチックキャノピーのカドを裏打ちして補強がしてあります。
キャノピーのプラスチックは弾力性が乏しく、特に角の部分は物にぶつけると割れやすいのでこのようなひと手間をかけてある様です。
カウルを仮に胴体に取り付けてみました。
水平対向エンジンを搭載した実機、パイパーカブのようにカウルが左右に張り出したデザインになっています。
この機体のキャッチフレーズに、SAITO FG-11エンジンを使用すればマフラー以外にはエンジンが一切外に出ない、というのがあります。
このカウルの張り出し部分によって、指定エンジンを横積み(サイドマウント)するとエンジン本体がすっぽりと中に収まるようになっている訳ですね。
もちろん、他のエンジンも搭載出来ますが、エンジンの種類によってはいろいろと穴を開る必要があるかもしれません。
実際のサイズは上写真のようになります。
カウルには冷却空気取り入れ口が向かって左側に前もって開けられています。
写真では黒く映ってしまって見えませんが、第一胴枠にはガソリンエンジン機のイグニッションキャップが通せるような長穴がちゃんとあけられています。
また、エンジンマウント(SAITO FG-11に付属の純正マウント)に合わせて第一胴枠にはブラインドナットが取付済みになっているなど、細かい点に気を配ってあります。
ちなみに、第一胴枠からエンジンのドライブワッシャーまで(スピンナーのバックプレートまで)の距離は118mmと説明書に記載されています。
指定以外のエンジンやモーターを搭載される場合は参考にしてください。
さて、次回は独特の平面型を持った主翼を見てゆくことにします。
エルロンやフラップのリンケージに工夫がされています。
お楽しみにお待ちください。