いきなりタイトルと関係がないようなOK模型の小型グライダーバルサキット「ラベンダー」が登場しましたが、今回のタイトルにおおいに関係があるんです。
そのラベンダーの尾翼周り、水平尾翼と垂直尾翼です。
垂直尾翼にラダーが、水平尾翼にエレベーターがついているのはごく普通のレイアウトですが、この方向から見ると固定翼と動翼の間に隙間が無いのがお判りになりますか。
ラダーと垂直尾翼の間は少し判りづらいですが、水平尾翼とエレベーターとの境界(ヒンジライン)はのっぺりと平らになっているのが判りますね。
それでは、一体どうしてこんな風になるんでしょうか?
方向を変えて垂直尾翼とラダー部分の境界を斜め上から見たところです。
黄色い丸で囲んだ部分を良く見てください。写真の上側(機体の右舷側)には隙間が無く、手前側(機体の左舷側)には隙間が空いているのがお判りになるかと思います。
上写真の黄色い丸で囲った部分を真上から見た断面図はこのようになります。
垂直尾翼とラダーを繋ぐヒンジに「テープ」を使用しています。
この、ヒンジにテープを使っているのが、ヒンジラインの片面がのっぺりと平らになっている理由なんです。
前置きがずいぶん長くなりましたが、ここでやっと題名のヒンジとテープという言葉が出てきましたね。
上の写真や図にあるように、垂直尾翼とラダーの間は片面に隙間が無く、反対側(画面では下側)には切り欠きが出来ます。
ラダーはこの分だけ(図の)下に動くことが出来ます。反対方向の上には当たるものがありませんので問題なく可動出来ます。
これで舵として機能できる訳ですね。
図のように固定翼(垂直尾翼や水平尾翼)と可動翼(ラダーやエレベーター)をテープで繋ぐ仕組みを「テープヒンジ」と言います。
「ヒンジテープ」を使って「テープヒンジ」を作る・・・・・ややこしいですね。
でもこれは中小型グライダーによく使われる手法で、特にラベンダーのように厚さ3mmという薄い尾翼の機体には最適の方法なんですよ。
で、これが「テープヒンジ」の材料となるOK模型製の「ヒンジテープ」、もちろん当店で取り扱っています。
一見すると身近にあるセロハンテープやビニールテープのようですが、実は全く違うものです。
ヒンジとして使うには、簡単に裂けない、特にヒンジライン方向(テープの長さ方向)に裂けない事が大事です。ヒンジライン方向に裂けてしまうという事は、固定翼と動翼が分裂してしまうという事で、あってはならない事ですよね。
次に接着力が強い事。理由は言わなくてもお判りですね。
その上に、厚さはできるだけ薄く、でも強度があること。それでもって伸縮しない事。僅かな伸びは必要ですが、ビニールテープのように力がかかった時に伸びてしまうようでは困ります。
更に水に強い事。セロファンテープのように水がかかるとふやけたり剥がれたりするのでは安心して飛行機を飛ばすことが出来ませんからね。
このようにたくさんの条件をクリアーした特殊なテープがヒンジテープとして使えるものなんです。
次回はヒンジテープを使ってヒンジ部分を工作する方法を説明させていただくことにします。