前回、グライダー大会観戦記でお休みしましたが、再びオリンピア箱開けシリーズに戻ります。
初めてバルサキットに挑戦するモデラーのための飛行機という事で、設計者の気遣いやこだわりをあちこちに見る事が出来るオリンピアですが、今回は胴体のプランク(板張り)について見てみましょう。
(その1)で見た通り、胴体はほぼ完成しているのですが、胴体の上面と下面にベニヤ板やバルサ板のプランク板を貼る作業が残っています。
プランク作業で注意することは、胴 体に貼るバルサのプランク材は加わる力の向きの関係で木目を胴体の縦方向(進む方向)に対して横方向にしなければならないんです。一枚の長い板をべったりと貼るのでなく、一枚一枚を貼る場所の胴体の幅に合わせてカットしなければならないんですね。当然オリンピアのレーザーカット部品もそのように一枚づつ幅が変わっているんですが、ここから先に一工夫があります。
こ れがレーザーカットされたオリンピアのプランク板です。当然のことながら、それぞれのパーツの幅が違っていますよね。そして、よく見ると、前後の端が直線でなくジグソーパズルのように異なった形に レーザーカットされているのがお判りでしょうか。この形を合わせながら板を貼ってゆくことで、貼る順番を間違わずしかも歪まずにきっちりと貼ること が出来るんですね。
組立説明書はこんな具合です。ここで、よく見ると上面のジグソーパズルの線は直線の組み合わせで、下面の組み合わせは曲線の組み合わせになっていますよね。
実物はこんな具合です。手前が直線で上面用、奥が曲線で下面用です。こうすることで、同じ幅の所でも上下を間違えたり上か下か考える必要が無くなるはずです。
ちょっとした気配りというか、設計者の遊び心が感じられるところですね。
胴体からは外れますが、同じプランクということで主翼中央部分はどうなっているかというと・・・
一枚づつ合わせ目の切り欠きの形を変えてありますね。これなら前後を間違えることなく作業が出来ます。それと細かいことですが、左右のプランクの突合せ面、一見直線のように見えますが実はここは翼の上面のカーブと上反角の加減で微妙にカーブを描いた形になります。ここをピッタリと合うように削るのはベテランモデラーでも苦労するところなんですが、オリンピアの場合はそのような形に初めからレーザーカットされていますので、多分ほとんどの方は気づかずに作業を終わられると思います。なかなか奥が深いですね。
と いう事で、4回にわたって「半生地完成キット」というあまり聞きなれないパターンの機体「オリンピアの中身を見てきました。箱を開けてざっと見ただけで も、正確に組まなければならない箇所や組立が難しい部分、そして不慣れな方が間違えやすいところがすでに出来上がっており、残った部分もこれまでのキットになかった工夫がされていますので、初めてバルサキットに取 り組まれる方にはうってつけの機体が現れたとの印象を受けました。
また、メーカーからはこのオリンピア専用のフィルムセットも発売されましたので、そちらもどんなものか近いうちにレビューを掲載したいと思っています。
さて、次回はトップモデルが販売を開始したマルチコプター「TOP MODEL F450」をご紹介させていただきます。